後見制度の概要

03-6450-2865

10:00~19:00(土・日・祝日を除く)
10:00~17:00(土曜日)

無料相談予約

Q&Aはこちら

東京都品川区上大崎2丁目24-11 目黒西口マンション2号館 905号室 (駅から徒歩2分)

後見制度の概要

はじめに:成年後見制度とは何か?今の状況で何をすればよいのか

認知症や判断能力の低下がもたらす「財産凍結」のリスク

日本は超高齢社会を迎え、長寿化が進む一方で、認知症などにより判断能力が低下するリスクは誰にでも等しく存在します。将来に向けて最も警戒すべき事態のひとつが、いわゆる「財産凍結」と呼ばれる状態です。

銀行などの金融機関は、口座名義人が認知症を発症し、意思能力や判断能力を喪失したと判断した場合、本人の財産を保護する目的で口座の取引を停止(凍結)します。一度口座が凍結されると、たとえ配偶者や子供などの親族であっても、本人の生活費や医療費、介護施設への入居費用を引き出すことが非常に困難になります。

また、預貯金の引き出しだけでなく、不動産の売却や賃貸借契約の締結、さらには悪徳商法からの被害取り消しなど、生活を支えるための重要な法律行為全般がストップしてしまいます。

親族が「本人のため」を思って行う行為であっても、法的な権限がなければ進めることができず、結果として家族全体が大きな経済的・精神的負担を抱えるケースが急増しています。

このような事態を未然に防ぎ、あるいは既に直面している困難を解決するためには、法的な裏付けを持った財産管理と手続きの仕組みを理解し、活用することが不可欠です。

本記事で解説する3つの制度(法定後見・任意後見・死後事務)の全体像

将来の財産管理と法的手続きへの不安を解消するためには、本人の判断能力の状態と、カバーすべき時間軸(生前か、死後か)に合わせて適切な制度を選択する必要があります。本記事では、厚生労働省や法務省などの公的機関の指針、および実務上の取り扱いに基づき、以下の3つの主要な制度について詳しく解説します。

  • 法定後見制度:すでに認知症などで判断能力が不十分になっている方を対象とし、家庭裁判所が支援者(後見人など)を選任する制度です。
  • 任意後見制度:現在は判断能力に問題がない方が、将来に備えてあらかじめ支援者と支援内容を契約で決めておく制度です。
  • 死後事務委任契約:亡くなった後の葬儀や納骨、未払い費用の精算や行政手続きなど、遺言や後見制度ではカバーできない「死後」の手続きを第三者に託す契約です。

これら3つの制度は独立して機能するだけでなく、状況に応じて組み合わせることで、生前から死後まで切れ目のないサポート体制を構築することが可能です。

1. 法定後見制度とは?(すでに判断能力が低下している方向け)

法定後見制度の仕組みと目的

法定後見制度は、認知症、知的障害、精神障害などによって、すでに判断能力が不十分となっている方を法律的に支援・保護するための制度です。

本人が自分自身で財産管理や重要な契約を行うことが難しい場合、親族や専門家などが家庭裁判所に申し立てを行い、家庭裁判所が適切な支援者(成年後見人等)を選任します。

この制度の最大の目的は、判断能力が低下した本人の権利(財産や生活)を守り、不当な不利益を被ることを防ぐことにあります。選任された後見人は、本人の希望や心身の状態、生活状況に配慮しながら、財産管理や身上監護に関する事務を行います。

症状に応じた3つの類型(後見・保佐・補助)の違い

法定後見制度は、本人の判断能力の程度に応じて、「後見」「保佐」「補助」の3つの類型に分かれています。どの類型に該当するかは、医師の診断書等をもとに家庭裁判所が判断します。

  • 後見(こうけん):判断能力が「欠けているのが通常の状態」の方を対象とします。成年後見人が選任され、日常生活に関する行為(日用品の買い物など)を除くすべての法律行為に対して、包括的な代理権と取消権を持ちます。
  • 保佐(ほさ):判断能力が「著しく不十分」な方を対象とします。保佐人が選任され、不動産の売買や借金など、法律で定められた重要な財産行為について同意権(および取消権)を持ちます。必要に応じて、特定の行為に対する代理権を付与することも可能です。
  • 補助(ほじょ):判断能力が「不十分」な方を対象とします。補助人が選任され、本人があらかじめ希望した特定の法律行為についてのみ、同意権や代理権が与えられます。本人の自己決定権を最も尊重した類型です。

法定後見人が「できること」と「できないこと」

法定後見人の職務は大きく分けて「財産管理」と「身上監護」の2つですが、その権限には明確な限界があります。

【できること】

本人の預貯金の管理、生活費の支払い、年金の受領、不動産の管理・処分などが財産管理にあたります。身上監護としては、介護保険サービスの利用契約、医療・福祉施設への入退所手続き、要介護認定の申請など、本人の生活や医療・介護に関する契約行為を代理で行います。

【できないこと】

後見人であっても、医療行為(手術の同意や延命治療の拒否など)に対する同意権はありません。また、遺言の作成や結婚・離婚など、本人自身の意思が極めて重要視される「一身専属的な行為」を代理することはできません。

さらに、日用品の購入など日常生活における些細な買い物を取り消すことも認められておらず、本人の自宅(居住用不動産)を売却する場合には家庭裁判所の許可が別途必要になります。

家庭裁判所への申立て手続きの流れと必要費用

法定後見制度を利用するためには、本人の住所地を管轄する家庭裁判所へ申立てを行う必要があります。申立てができるのは、本人、配偶者、四親等内の親族などです。親族がいない場合などは市区町村長が申し立てることもあります。

手続きの流れとしては、まず申立書類や医師の診断書、戸籍謄本、財産目録などの必要書類を収集・作成します。家庭裁判所に書類を提出した後、裁判所の調査官による面接調査が行われ、必要に応じて医師による鑑定が実施されます。

すべての調査が終わると、家庭裁判所が後見開始の審判を下し、最も適任と思われる成年後見人等を選任します。必ずしも申立人の希望する親族が選ばれるとは限らず、専門職(弁護士や司法書士、社会福祉士など)が選任されるケースも多くあります。

費用については、申立ての手数料(収入印紙800円)、登記手数料(2,600円)、郵便切手代などの実費がかかります。また、医師の鑑定が必要な場合は数万円〜10万円程度の鑑定費用が発生します。さらに、専門職が後見人に選任された場合は、本人の財産から毎月一定の報酬(月額2万円〜数万円程度、財産額による)を継続して支払う必要があります。

2. 任意後見制度とは?(将来の不安に今から備えたい方向け)

任意後見契約の仕組みと最大のメリット

任意後見制度は、法定後見制度とは異なり、現在まだ判断能力が十分にある方が利用する制度です。

将来、認知症などで自分の判断能力が不十分になったときに備えて、「誰に」「どのような支援(財産管理や身上監護)をしてもらうか」をあらかじめ自分自身で決めておき、その支援者(任意後見受任者)との間で任意後見契約を結んでおきます。

最大のメリットは、「自分の信頼できる人を後見人に指定できること」と「支援の内容をオーダーメイドで自由に決められること」です。

法定後見制度では家庭裁判所が後見人を選びますが、任意後見制度では、家族や信頼する知人、あるいは専門家など、自らが選んだ人に将来を託すことができます。

ライフステージに合わせた3つの利用形態(将来型・移行型・即効型)

任意後見契約は、本人の現在の状況や希望に合わせて、主に3つの形で利用されます。

  • 将来型:現在は全く問題がなく元気だが、将来判断能力が低下した時にのみ備えて任意後見契約だけを結んでおく、最も基本的な形態です。
  • 移行型(見守り・財産管理契約との組み合わせ):現在は判断能力はあるものの、足腰が弱り銀行に行くのが大変など、身体的な理由で財産管理のサポートが必要な場合に利用します。判断能力があるうちは「通常の財産管理委任契約」によってサポートを受け、判断能力が低下した段階で「任意後見契約」へシームレスに移行します。実務上、最も多く利用される安心の形態です。
  • 即効型:すでに判断能力の低下が始まっているものの、まだ契約内容を理解し意思表示できる能力(契約能力)が残っている段階で契約を結び、契約後すぐに任意後見監督人の選任を申し立てて効力を発生させる形態です。

任意後見監督人の選任と役割について

任意後見制度において非常に重要なポイントが、「任意後見監督人」の存在です。任意後見契約は公正証書を作成しただけでは効力が発生しません。

本人の判断能力が低下した段階で、受任者や親族などが家庭裁判所へ「任意後見監督人選任の申立て」を行い、家庭裁判所が監督人を選任して初めて契約の効力が発生します。

任意後見監督人は、任意後見人が契約通りに適正な仕事をしているか、本人の財産を不正に流用していないかをチェックする役割を担います。

監督人は通常、家庭裁判所が選んだ専門職(弁護士など)が就任し、監督人に対する報酬も本人の財産から支払われます。

公正証書による契約作成と手続きの流れ

任意後見契約は、法律により必ず「公証役場で公正証書によって作成しなければならない」と定められています。

手続きの流れとしては、まず支援者(受任者)と「何を依頼するか」について詳細な打ち合わせを行い、契約内容を取り決めます。その後、公証役場へ赴き、公証人の面前で契約を結びます。

公正証書が作成されると、公証人から東京法務局へ嘱託され、任意後見契約が締結されたことが公的に登記されます。

そして数年〜数十年後、本人の判断能力が低下した際に家庭裁判所へ申立てを行い、任意後見監督人が選任された時点で、受任者は正式な「任意後見人」として業務をスタートします。

3. 死後事務委任契約とは?(亡くなった後の手続きを託す)

家族に負担を残さないための「死後事務」の重要性

人が亡くなった後には、非常に多くの手続きが発生します。葬儀の手配、お墓や納骨の手続き、病院や介護施設の未払い費用の精算、自宅の遺品整理や賃貸借契約の解除、行政機関への資格喪失届出や公共料金の解約など、これらを総称して「死後事務」と呼びます。

もし頼れる親族が近くにいない方やおひとりさまの場合、これらの事務を行う人がおらず、大家さんや施設、遠縁の親族に多大な迷惑をかけることになりかねません。

そこで、生前に第三者(専門家や信頼できる知人)との間で、亡くなった後の諸手続きを代行してもらう約束をしておくのが「死後事務委任契約」です。

死後事務委任契約で依頼できる具体的な内容

死後事務委任契約では、財産の分配(相続)以外の、物理的・事務的な手続きを広く依頼することができます。具体的には以下のような内容が含まれます。

  • 医療費や介護施設利用料などの未払金・債務の精算
  • 葬儀、火葬、納骨、散骨、永代供養などに関する手配と費用の支払い
  • 賃貸アパートの退去手続き、敷金の精算、家財道具の処分・遺品整理
  • 電気、ガス、水道などの公共料金、スマートフォン、インターネット回線、クレジットカードなどの解約手続き
  • 住民票の抹消や健康保険、年金などの行政窓口への届出業務
  • パソコンやスマートフォン内のデジタル遺品の消去

遺言書や成年後見制度ではカバーできない「死後の空白期間」の解消

多くの方が誤解されがちですが、「成年後見制度」の効力は本人が死亡した瞬間に終了します。つまり、生前どんなに献身的にサポートしてくれた成年後見人であっても、死後の葬儀の手配や遺品整理を行う法的な権限はありません(一部の例外的な保全措置を除く)。

また、「遺言書」は、誰にどの財産を引き継がせるかという「財産の承継」については強力な効力を持ちますが、葬儀の方法や事務手続きを指定して強制させる効力はありません。

そのため、「生前の管理(成年後見)」と「死後の財産分配(遺言)」の間には、どうしても法的な「空白期間(物理的な死後事務)」が生じてしまいます。この空白を埋め、生前から死後まで完璧な対策を講じるためには、死後事務委任契約が不可欠となります。

4. あなたの状況に合わせた最適な制度の選び方

【ケース別】法定後見・任意後見・死後事務のどれを選ぶべきか

ご自身の状況に合わせて、どの制度を利用すべきかの目安は以下の通りです。

  • ケースA:親がすでに認知症を発症しており、預金が下ろせない・施設契約ができない
    ⇒ すでに判断能力が低下しているため、「法定後見制度」を利用するしかありません。早急に家庭裁判所へ申立ての準備を始める必要があります。
  • ケースB:現在は健康だが、将来自分が認知症になったとき、子供たちに迷惑をかけず、特定の子供に財産管理を任せたい
    ⇒ 判断能力がある今だからこそ、「任意後見契約」を特定の子供と結んでおくべきです。
  • ケースC:身寄りがない「おひとりさま」で、将来の施設入所から死後の葬儀・お墓の管理まで全て不安だ
    ⇒ 生前のサポートとして「任意後見契約(移行型)」を結び、さらに亡くなった後のために「死後事務委任契約」、財産の寄付先などを決める「遺言」の3点セットを準備するのが最適です。

制度の組み合わせによる切れ目のないサポート

これらの制度は単独で利用するだけでなく、パズルのように組み合わせて利用することで真価を発揮します。

現在の財産管理を任せる「財産管理委任契約」、認知症に備える「任意後見契約」、死後の手続きを任せる「死後事務委任契約」、そして財産の行き先を決める「遺言書」。

これらをトータルで設計することで、ご自身の尊厳を守りつつ、残される方々の負担を最小限に抑える「切れ目のない法務サポート体制」が完成します。

5. アイ・ビー飛鳥行政書士法人におけるサポート内容とご相談の流れ

当法人で提供している成年後見・死後事務サポートの特徴

私たちアイ・ビー飛鳥行政書士法人では、依頼者様一人ひとりのライフスタイルやご家族の状況に深く寄り添い、画一的ではない最適な法務プランをご提案しています。

将来への漠然とした不安を丁寧にヒアリングし、法定後見の申立てサポートから、任意後見契約の文案作成および公証役場での手続き代行、そして複雑な死後事務委任契約の設計まで、専門家としてトータルでサポートいたします。

各種専門家とのネットワークも構築しており、ワンストップで解決に導く体制を整えています。

ご相談から契約・申立てまでの具体的なステップ

サポートのご利用は、以下のようなステップで進行します。

  1. 初回無料相談・ヒアリング:現在のお悩みやご家族構成、財産状況をお伺いし、課題を整理します。
  2. 最適なプランのご提案:ヒアリングをもとに、任意後見や死後事務などの組み合わせ案と、明瞭な費用のお見積もりをご提示します。
  3. 契約文案の作成と調整:当法人が法的に有効かつ依頼者様の希望を網羅した契約書の原案を作成し、推敲を重ねます。
  4. 公証役場での手続き・家庭裁判所への申立てサポート:公正証書の作成同行や、必要な公的書類の収集、家庭裁判所向け書類の作成支援など、煩雑な手続きを確実に行います。
  5. 契約後のアフターフォロー:契約締結後も、状況の変化に応じたご相談を継続的にお受けします。

まずはお気軽にご相談を

「自分にはどの制度が必要なのか分からない」「親の認知症が少し心配になってきた」といった初期段階のお悩みでも全く問題ありません。

財産管理や死後の手続きに関する不安は、時間が経つほど選択肢が狭まってしまう性質があります。ご自身と大切なご家族の未来を守るために、ぜひお早めにアイ・ビー飛鳥行政書士法人までご相談ください。お問い合わせフォームまたはお電話にて、専門スタッフが丁寧に対応させていただきます。

ページの先頭へ

   

03-6450-2865

受付時間:10時~19時(平日)、10時~17時(土曜)

03-6450-2866(24時間受付)