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はじめに:複雑に見える「成年後見制度の手続き」も、順を追えば大丈夫

ご家族の認知症などが進行し、「銀行口座が凍結されてしまった」「実家を売却して施設入居費に充てたいが契約ができない」といった事態に直面したとき、解決策となるのが「法定後見制度」です。

しかし、いざ制度を利用しようと調べ始めると、「家庭裁判所への申立て」「医師の鑑定」「戸籍や財産目録の収集」など、耳慣れない法律用語や複雑な手続きの連続に、途方に暮れてしまう方も少なくありません。

「手続きにどれくらいの期間がかかるの?」

「費用はトータルでいくら準備すればいいの?」

「自分たち家族だけで最後までやり切れるのだろうか?」

このような不安を解消するため、本記事では「成年後見制度(法定後見)の利用開始までの具体的な4つのステップ」と「申立てにかかる費用」について分かりやすく徹底解説します。全体像を把握し、一つひとつのステップを確実に進めていきましょう。

1. Step 1:相談窓口へ行く(一人で抱え込まないことが第一歩)

成年後見制度の利用を考え始めたら、まずは「誰に相談するか」が重要になります。ご家族だけで悩まず、地域の公的な窓口や専門家を活用しましょう。

地域の中核機関や包括支援センターを活用する

お住まいの市区町村には、高齢者や障害者の権利擁護をサポートする「中核機関」や「地域包括支援センター」「社会福祉協議会」といった相談窓口が設置されています。

これらの窓口では、「そもそも成年後見制度を利用すべき状況なのか」「どのような手続きから始めればよいか」といった初期段階のアドバイスを無料で受けることができます。

スムーズに進めるなら専門家への相談も有効

「平日に役所や裁判所へ何度も行く時間がない」「親族間で意見がまとまらない」「財産が複雑で書類作成に自信がない」といった場合は、初期段階から行政書士、司法書士、弁護士といった法律の専門家に相談・依頼するのも非常に有効な手段です。専門家が間に入ることで、その後の書類収集や家庭裁判所とのやり取りが圧倒的にスムーズになります。

 

2. Step 2:申立ての準備(最も労力がかかる「書類集め」)

相談を経て方針が決まったら、次は家庭裁判所へ提出するための書類を準備します。実は、申立て手続き全体の中で、この「準備(書類収集と作成)」のステップが最も時間と労力を要します。

家庭裁判所へ提出する主な必要書類

申立てには、主に以下の3種類の書類を準備する必要があります。

① 申立書などの作成書類

家庭裁判所が指定するフォーマットに従って、「申立書」「申立事情説明書(なぜ後見制度が必要になったかの経緯)」「親族関係図」などを作成します。

② 財産と身分を証明する書類

ご本人の「戸籍謄本」や「住民票(世帯全部)」のほか、財産状況を裁判所に報告するための「財産目録」と「収支状況報告書」を作成します。これらを裏付けるために、預貯金通帳のコピー、不動産の登記事項証明書、年金振込通知書、介護施設の請求書などもすべてかき集める必要があります。

③ 医師の診断書と「本人情報シート」

本人の判断能力の程度(後見・保佐・補助のどれに該当するか)を裁判所が判断するための最重要書類です。一般の診断書ではなく、「成年後見制度専用の診断書書式」を用いて主治医などに書いてもらう必要があります。 また近年では、医師が的確な診断を行えるよう、ご本人の生活状況をよく知る福祉関係者(ケアマネジャーやソーシャルワーカーなど)に「本人情報シート」を作成してもらい、それを医師に渡した上で診断書を書いてもらう仕組みが導入されています。

3. Step 3:家庭裁判所への申立てと面接(事情聴取)

必要書類がすべて揃ったら、ご本人の住民票がある住所地を管轄する家庭裁判所へ書類を提出し、正式に申立てを行います。

裁判所の調査官による「面接(事情聴取)」

申立てを行うと、家庭裁判所の調査官から面接の日程調整の連絡が入ります。指定された日に、申立人や後見人候補者が家庭裁判所へ赴き(またはウェブ会議等で)、事情聴取を受けます。

面接では、「申立てに至った具体的な経緯」「ご本人の現在の生活状況や認知症の程度」「財産の内容や今後の管理方針」「親族間に反対意見はないか」などが詳しく聞かれます。事案によっては、調査官がご本人がいる施設や自宅に赴き、直接本人の状況を確認することもあります。

医師によるさらに詳しい「鑑定」が行われることも

提出した診断書や面接の結果だけでは、本人の判断能力(後見・保佐・補助のどの類型に該当するか)の判定が難しいと裁判所が判断した場合、医師に対してさらに精密な「鑑定」を依頼することがあります。

鑑定はすべてのケースで行われるわけではなく、必要な場合のみ実施されます。鑑定が行われる場合は、手続きの期間が少し延び、別途鑑定費用が必要になります。

4. Step 4:審判(後見人の選任)と業務のスタート

家庭裁判所での調査や鑑定が終わると、いよいよ結果が出ます。申立てからここまでの期間は、おおむね1ヶ月〜2ヶ月程度が目安です(書類に不備があったり、親族間に争いがあったりする場合はさらに長引きます)。

審判と後見人の決定

調査結果を踏まえ、家庭裁判所が「後見等を開始する」という決定(審判)を下します。これと同時に、最も適任と思われる「成年後見人等」を選任します。

ここでの注意点は、「申立人が希望した親族が必ず後見人に選ばれるとは限らない」ということです。本人の預貯金が多額である場合や、親族間で意見の対立がある場合、将来的に不動産売却などの複雑な手続きが控えている場合などは、家庭裁判所の判断により、弁護士や司法書士などの専門職が後見人に選ばれることが多くなっています。

法務局への登記と業務のスタート

審判から約2週間が経過して内容が確定すると、家庭裁判所から法務局へ連絡がいき、「成年後見登記」が行われます。

後見人に選ばれた人は、法務局で「登記事項証明書」を取得し、それを銀行や役所に提示することで、口座の凍結解除や介護施設との契約など、本人に代わって正式な手続き(後見業務)を開始します。

また、選任後1ヶ月以内に本人の詳細な財産目録等を作成して裁判所へ提出し、その後も年に1回、定期的に財産状況などを報告する義務を負います。

5. 法定後見制度の申立てにかかる「実費」の目安

成年後見制度を利用するにあたって、避けて通れないのが「費用」の問題です。申立てにかかる費用は、大きく「裁判所に納める実費」と「専門家に依頼する場合の報酬」に分けられます。

必ずかかる実費(数千円〜数万円)

家庭裁判所へ申立てるために、必ず必要となる実費の内訳は以下の通りです。

  • 申立手数料: 800円(収入印紙で納付)

    ※保佐や補助で、代理権や同意権の付与を同時に求める場合は、追加で800円ずつ必要になります。

  • 登記手数料: 2,600円(収入印紙で納付)
  • 郵便切手代: 数千円程度(裁判所からの書類送付用。管轄の裁判所によって金額・内訳が異なります)
  • 書類取得費: 1万〜2万円程度(戸籍謄本や住民票の発行手数料、医師に診断書を書いてもらうための作成料など)

医師の「鑑定」が必要になった場合の費用(10万円以下)

前述の通り、裁判所が「さらに詳しい医学的判断が必要」と判断した場合、鑑定が行われます。この鑑定費用は原則として申立人が負担します。事案によって異なりますが、ほとんどの場合は5万円〜10万円以下に収まります。

専門家に手続きサポートを依頼する場合の費用

書類の収集や申立書の作成がご自身では難しい場合、行政書士などの専門家に手続きのサポートを依頼することになります。専門家への報酬は依頼先によって異なりますが、概ね10万円〜20万円程度が相場となります。

決して安くない費用ですが、「平日に役所を飛び回る時間と労力が省ける」「書類の不備による手続きの長期化を防げる」といった大きなメリットがあります。

まとめ:複雑な手続きは、アイ・ビー飛鳥行政書士法人へお任せください

成年後見制度の申立ては、ご家族の生活を守るための大切な手続きですが、集めなければならない書類が膨大で、精神的にも肉体的にもご家族に大きな負担がかかります。特に「親の介護で忙しい」「仕事が休めない」といった状況のなかで、不慣れな裁判所手続きを進めるのは至難の業です。

アイ・ビー飛鳥行政書士法人では、成年後見制度に関する初期のご相談から、面倒な戸籍謄本・財産資料の収集、家庭裁判所へ提出する複雑な申立書類の作成サポートまで、ご家族の負担を最小限にするためのトータルサポートを行っております。

「うちの場合は制度を使ったほうがいいの?」「費用はどれくらいかかりそう?」といった疑問に対し、実務経験に基づく的確なアドバイスをご提供いたします。一人で悩まず、まずはアイ・ビー飛鳥行政書士法人の無料相談をご利用ください。皆様の不安を安心に変えるお手伝いをさせていただきます。

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